
低コストかつ高品質な開発を実現できることから、日本でもニーズが高まっているオフショア開発ですが、進行プロセスが不明瞭なことから実施に踏み切れていない企業も多いのではないでしょうか?
たしかに、オフショア開発は海外企業と提携して開発を進めるため、国内開発とは異なるプロセスが存在します。
本記事では、オフショア開発の進行プロセスをわかりやすく解説します。オフショア開発の利用経験がない場合でも、流れをイメージできれば検討しやすくなるはずです。
オフショア開発の利用を検討している場合は、ぜひ最後までご覧ください。
オフショア開発の具体的な進行プロセス
オフショア開発の利用を検討するには、進行プロセスを正しく理解しておく必要があります。ここでは、オフショア開発の流れをプロセスごとにわかりやすく紹介します。
プロセス1. 社内の開発体制を整える
オフショア開発をスタートさせる前に、自社側の開発体制を固めておきましょう。特に、社内の意思決定フローや担当者の役割が曖昧なまま進めると、確認作業が滞ったり、オフショア側との認識齟齬が増えたりと、初期段階からトラブルが発生しやすくなります。
まず、プロジェクトマネージャーや責任者、コミュニケーション窓口など、誰がどの領域を担当するのかを明確にしておくことが重要です。情報共有の経路や、仕様変更が生じた際の承認プロセスを事前に決めておくことで、海外チームとのやり取りがスムーズになります。
また、プロジェクト管理ツールやドキュメント管理方法を早い段階で統一しておくことで、情報の整合性を保ちながら進行できるようになります。オフショア開発は距離的・心理的にもプロジェクト進行の透明性を確保しにくいため、社内体制が整っているほど、ベンダーのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。
社内の土台を固めることは、スムーズなプロジェクト進行だけでなく、後工程での品質や納期にも大きな影響を与えるため、最初のプロセスとして特に丁寧に取り組むべき重要なステップです。
また、以下の記事ではオフショア開発における開発体制の違いについて解説しています。あわせてご覧ください。
→ オフショア開発の開発体制を徹底比較!開発体制の選び方や失敗しないポイントを紹介 – トッパジャパン株式会社
プロセス2. 開発要件を作成する
オフショア開発では、日本語のニュアンスがそのまま伝わらなかったり、文化背景の違いから認識がズレたりすることが少なくありません。そのため、開発要件は国内の開発以上に具体的かつ曖昧さのない形でまとめることが重要です。
まず、目指すべき成果物や機能要件だけでなく、プロジェクトの背景や目的も共有しておきましょう。開発要件を細かく設定することで、ベンダー側が意図を正しく理解しやすくなります。追加機能の優先度や制約条件、利用技術の選定方針なども明文化しておくことで、見積もりやスケジュールの精度が向上します。
画面仕様や遷移図、サンプルデータなどの具体的な資料を揃えておくことも、齟齬を減らすには重要です。抽象的な説明では誤解が生じやすいため、数値や例示を用いて誰が見ても同じ解釈になるレベルまで記載しておきましょう。
要件が十分に整っていれば、ベンダー側の判断の精度が高まり、開発中の手戻りや追加コストを最小限に抑えられます。オフショア開発は距離や言語の壁を超えて進むプロジェクトだからこそ、最初の要件定義の正確さが、プロジェクト全体の品質と成功率を大きく左右します。
また、以下の記事ではオフショア開発について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
→ オフショア開発とは?メリット・デメリットや失敗例・おすすめの開発企業も紹介 – トッパジャパン株式会社
プロセス3. ベンダーを選定する
開発要件が固まったら、オフショア開発ベンダーを選定します。ベンダー選びはプロジェクトの成否を左右する最重要プロセスのひとつなので、単に価格の安さや人数の多さだけで判断するのは危険です。技術力・実績・コミュニケーション品質・プロジェクト管理体制など、複数の観点から総合的に評価する必要があります。
まずは、自社の要件と同様の領域や規模の案件をどれだけ経験しているかを確認しましょう。過去の事例をチェックすることで、必要なスキルセットを持っているかを見極められます。
同時に、ブリッジSEの有無や日本語でのコミュニケーション体制も重要な評価軸となります。さらに、過去のトラブル事例への対応方法や、品質保証のプロセス、セキュリティ体制といった目に見えない部分も注意深く確認することが欠かせません。
これらが曖昧なまま契約すると、開発中の品質低下や情報漏洩リスクなどの大きな問題につながる可能性があります。丁寧な選定プロセスを踏むことで、自社にとって最適なパートナーを見つけられます。
また、以下の記事ではオフショア開発におけるおすすめ企業について解説しています。あわせてご覧ください。
→ オフショア開発会社おすすめ9選|失敗しないためのポイントや活用のメリット・デメリットも – トッパジャパン株式会社
プロセス4. 契約を締結する
ベンダーを選定した後は、開発を円滑に進めるための契約を締結します。オフショア開発における契約では、国内開発以上に責任範囲の明確化が重要になります。
言語や文化の違いがある環境では、曖昧な表現が後のトラブルに直結しやすいため、契約段階での取り決めが非常に重要になるのです。
まず、成果物の範囲や検収基準を詳細に定義しましょう。納品完了の状態や修正対応の範囲、追加作業が発生した場合の取り扱いなどを契約書に落とし込むことで、双方が同じ基準で判断できるようになります。
さらに、準拠法や裁判管轄、損害賠償の範囲、再委託の可否といった法務的な条件も明確にしておくべきです。国をまたぐ開発では、トラブル発生時の対応プロセスや責任範囲が曖昧だと、問題解決には多くの時間やコストがかかることがあります。
また、情報管理やセキュリティ対策についての取り決めも欠かせません。NDA(秘密保持契約)の適用範囲やアクセス権限の管理方法を明文化し、自社の情報資産を守るためのラインをしっかり引いておくことが重要です。
また、以下の記事ではオフショア開発の主流な契約方法の一つである準委任契約について解説しています。あわせてご覧ください。
→ オフショア開発の準委任契約とは?選ばれる理由や注意点を解説 – トッパジャパン株式会社
プロセス5. キックオフミーティングを実施する
契約が締結されたら、関係者全員でキックオフミーティングを実施しましょう。ミーティングでは、プロジェクトの目的や背景、達成したいゴールを改めて確認します。
開発要件に記載されている内容を、各担当者がどのように解釈しているのかをすり合わせることで、最初の段階で認識のズレを防げます。全体スケジュールやマイルストーン、成果物の定義を共有しましょう。
次に、日本側・オフショア側それぞれの役割分担を明確にします。意思決定者や問い合わせ窓口、レビューや検証の責任の所在を確認しましょう。
また、報告方法や定例ミーティングの頻度、利用するツールを決めておくと、開発開始後の負担を減らせます。
キックオフミーティングが丁寧に行われていれば、プロジェクトの初動が安定し、双方が主体的に動きやすい状態がつくれます。言語の壁を超えて協働するオフショア開発では、特に重要なプロセスです。
また、以下の記事ではオフショア開発におけるコミュニケーションの重要性について解説しています。あわせてご覧ください。
→ オフショア開発のコミュニケーション課題と解決策|円滑なやりとりを実現する5つの方法 – トッパジャパン株式会社
プロセス6. 進捗管理・品質管理を行う
開発がスタートしたら、プロジェクトの品質とスケジュールを守るために、進捗管理と品質管理を継続的に行います。オフショア開発は距離や時差の問題から、国内プロジェクト以上に見えない時間が発生しやすく、進捗の遅れや品質のばらつきにも気づきにくくなる傾向があります。そのため、開発期間中は通常よりも丁寧な可視化と確認作業が必要です。
まず、タスク管理ツールやチケットシステムを用いて進捗をリアルタイムで見える化し、工程の遅れや課題を常に把握できる状態にします。日次・週次での定例ミーティングを設定し、オフショア側からの報告を受ける体制を整えておくことも重要です。
品質管理についても、開発開始前にレビュー基準やテストプロセスを揃えておくことが欠かせません。レビュー対象やテストケースの作成者、バグの報告フォーマットなどのルールを共通化しておくことで、品質を統一できます。
また、問題が発生した際には、原因を明確にし、再発防止策を共有することも重要です。オフショア開発では確認のタイムラグが積み重なるため、曖昧なまま作業が進むと、トラブルにつながってしまう場合もあります。
課題が発生したらすぐに共有し、同じ問題が繰り返されないようプロセスを改善していくことが成功への近道となります。
プロセス7. 検収後に運用保守フェーズに移行する
最終成果物が検収を通過したら、運用保守フェーズへと移行しましょう。リリース後の問い合わせ対応や軽微な改修の委託範囲、緊急対応時の連絡フローなどのルールを事前に明確にしておくことが重要です。
まず、運用保守の担当範囲を明確化し、障害対応・バグ修正・機能改善などの分類ごとに対応優先度やサービスレベルを整理します。これにより、トラブル発生時に双方が迷わず動けるようになるため、不必要な遅延を予防できます。
次に、継続的なコミュニケーション体制を整えることも欠かせません。オフショアチームが引き続き関わる場合は、開発フェーズで培ったナレッジを維持しながら作業できるよう、メンバーの固定化やドキュメント整備を行いましょう。
運用保守が適切に設計されていれば、サービスの品質は安定し、ユーザー体験の向上にもつながります。開発フェーズで築いた関係性を活かし、継続的な価値提供を実現する重要な工程です。
オフショア開発におけるプロセスごとの注意点
オフショア開発では、プロセスごとに注意すべきポイントが異なります。ここでは、オフショア開発を利用する際の注意点を紹介します。
要件定義|言語・文化差による認識齟齬の対策を講じる
オフショア開発では、日本語の曖昧な表現や文化的な前提がそのまま伝わらないことが多いため、要件定義の段階で認識齟齬が生まれやすいのが特徴です。そのため、口頭説明だけに頼らず、画面仕様・業務フロー・遷移図・サンプルデータなど、誰が読んでも同じ解釈になるレベルまで可視化することが重要です。
また、背景・目的・優先度を明確に伝えることで、本質的な意図を理解してもらいやすくなります。加えて、キックオフ時や定例MTGで、双方の理解の差を細かく確認する習慣をつくることで、初期段階の齟齬を最小限に抑えられます。
また、以下の記事ではオフショア開発におけるよくある悩みについて解説しています。あわせてご覧ください。
→ オフショア開発でよくある悩みとは?悩み別の対処法や成功事例も紹介 – トッパジャパン株式会社
開発工程|コードレビューの基準を統一する
開発工程に入ると、各エンジニアの経験値や実装スタイルによって品質のばらつきが生まれやすくなります。特にオフショア開発では、レビュー基準が揃っていないと、完成後に想定外の修正が大量に発生することもあります。
修正トラブルを未然に防ぐには、コーディング規約や命名ルール、アーキテクチャの方針、テストの書き方をチーム全体で統一しておくことが重要です。また、レビューの観点やチェック項目を明文化し、レビュー依頼のタイミングやフローを固定化することで、品質を一定に保つことができます。
また、以下の記事ではオフショア開発の失敗例について解説しています。あわせてご覧ください。
→ オフショア開発の失敗事例4選!成功させるポイントや代替案も紹介 – トッパジャパン株式会社
レビュー基準が整っていれば、開発スピードと品質の両立が容易になります。
テスト工程|品質保証の基準差とバグ報告ルールをすり合わせる
テスト工程では、企業やチームによる品質基準の違いに加え、国や文化による判断基準の差が影響し、、認識ズレが最も起きやすいフェーズです。たとえば、バグの定義や再現条件の記録範囲、重大度や優先度の判断基準などのルールが曖昧だと、テスト結果の品質が安定しません。
そのため、テストケースの作成ルールやテストの完了基準、バグ報告フォーマット、重大度の判断基準を事前に統一する必要があります。また、テスト開始前にショートレビューを行い、双方が同じ基準でチェックできているかを確認することで、後工程の手戻りを大幅に減らせます。
オフショア開発の委託サービスならトッパジャパンがおすすめ

出典:トッパジャパン株式会社
オフショア開発を初めて導入する企業や、社内リソースが限られている企業は、専門の委託サービスを利用するのもおすすめです。自社のみでベンダー探しから契約・進捗管理までを行う場合、以下のような問題が起こりやすくなります。
- ・言語・文化差による認識齟齬が発生しやすい
- ・契約条件の抜け漏れが発生し、後からトラブルに発展する可能性が高い
- ・品質のばらつきに気づきづらく、手戻りコストが膨らむ
- ・進捗管理に手間がかかり、社内工数が圧迫される
上記のようなリスクを避けたい場合、専門家が間に入る委託サービスは非常に有効です。委託サービスを利用することで、以下のようなメリットが得られます。
- ・実績のある開発会社とのネットワークにより、適切なベンダーを素早く選定できる
- ・契約書・条件調整のサポートが受けられ、海外企業との契約リスクを軽減できる
- ・PMやブリッジSEが橋渡し役となり、コミュニケーションの齟齬を防げる
- ・進捗管理や品質管理を代行してくれるため、社内負担を大幅に削減できる
特に、オフショア特有の認識のズレや品質不良を避けたい企業にとって、委託サービスは心強い存在です。適切な専門家に支援を任せることで、リスクを抑えながら効率よくプロジェクトを進められ、初めてのオフショア開発でも安心して取り組めます。
オフショア開発の委託サービスなら、トッパジャパンがおすすめです。トッパジャパンは、ベトナムのオフショア開発サービスを提供しています。
日本語でのコミュニケーション体制や品質管理専任チームを備えており、オフショア開発で懸念されやすい認識齟齬や品質のばらつきを抑える仕組みが整っています。さらに、WebアプリからAI・画像処理まで幅広い技術領域に対応できる実績を持ち、ラボ型開発や継続支援など長期的な開発体制も構築可能です。
セキュリティ面でも物理・情報の両面で対策が施されており、安心して開発を任せられる点も強みです。オフショア開発の利用経験がない場合でも、一気通貫のサポートで不安なく活用できます。
オフショア開発の利用を検討している方は、ぜひトッパジャパンにご相談ください。
まとめ
今回は、オフショア開発の進行プロセスを紹介しました。海外企業と協業するオフショア開発は、国内開発とは異なるプロセスが発生します。
オフショア開発を利用したことがない場合は、進行方法がわからず不安に感じるかもしれませんが、プロセスをイメージできれば前向きに検討できるはずです。コストや品質を両立できるオフショア開発は、企業に大きなメリットをもたらします。
オフショア開発の利用を検討している場合は、ぜひ今回の内容を参考にしてください。
また、自社のリソース不足でお悩みの場合は、トッパジャパンにご相談ください。トッパジャパンでは高品質で低コストなベトナムオフショア開発を提供します。
言語や品質、セキュリティに関する不安も、柔軟に対応可能です。オフショア開発の利用を検討している企業様は、ぜひトッパジャパンにご相談ください。
この記事の著者
- 教育系・製造業のシステム開発・AI開発に強い開発会社「トッパジャパン」の代表取締役社長。現場密着のサポート体制や、豊富な実績・経験からをもとにした幅広い対応力、国内外で実績を積んだ優秀なメンバーによる高いコストパフォーマンスで、お客様のニーズにお応えしています。
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