
システム開発を検討する際に事前に把握しておくべきなのが、費用相場やコストの内訳です。
「どれくらいの予算が必要なのか」「どの部分でコストを抑えられるのか」など、正しい情報を持たないと、予算オーバーや予想外の追加費用に悩まされることも少なくありません。
本記事では、Webシステムや基幹系システムなど、システム開発費用の相場やコストを左右する要因を解説します。また、開発費用を削減するための具体的な方法や外注時の注意点についても取り上げます。
トッパジャパン株式会社|高品質・低コスト・柔軟な対応力が強みのオフショア開発
目次
【目的別】システム開発の費用相場

システム開発の予算確保や外注を検討する際、適正な費用相場を把握することが重要です。
自社の目的に適した予算計画を立てることで、無駄な出費を抑え、効果的なシステム構築が可能になります。
本章では、Webシステム(EC・予約・マッチングなど)と基幹系や業務支援システムに分けて相場を紹介します。
Webシステム(EC・予約・マッチングなど)
Webシステムの開発費用は、規模や機能によって変動します。一般的な費用相場と費用を左右する要因を把握しておきましょう。
【Webシステム開発の費用相場】
システム種類 | 費用相場 |
コーポレートサイト | 20万〜500万円以上 |
ECサイト | 60万〜700万円以上 |
予約管理システム | 80万〜900万円以上 |
マッチングサイト | 100万〜800万円以上 |
SNS構築 | 100万〜800万円以上 |
CMS導入・運用 | 50万〜700万円以上 |
単純な情報発信が目的のコーポレートサイトなら比較的低コストで構築できますが、複雑な決済機能や会員管理機能を持つECサイトは、セキュリティ対策も含めて高額になる傾向があります。
費用を左右する主な要因は、以下の通りです。
- 技術者のスキルレベル: 経験豊富な上級エンジニアほど単価が高くなる
- 開発規模と機能数:機能を追加するほど開発費用は増加する
- 開発会社の規模:大手企業ほど人月単価が高い傾向がある
- 納期の短さ:短期開発を求めると追加コストが発生する場合がある
- 対応デバイス・OS:マルチプラットフォーム対応で費用が増加する場合がある
なお、コスト削減策としてオフショア開発を活用する企業も増えています。

出典:オフショア開発白書p19
オフショア開発白書によると、オフショア開発では平均19.2%のコスト削減が実現しており、予算を抑えたい場合の選択肢として検討する価値があるでしょう。
基幹系や業務支援システム
企業活動の中核を担う基幹系システムや業務効率化を支援するシステムは、規模や機能によって費用が大きく変動します。
【基幹系・業務支援システムの費用相場】
- 基幹システム: 20万〜500万円以上
- 業務支援システム: 10万〜400万円以上
シンプルな機能だけを持つ小規模なシステムであれば20万円程度から導入可能ですが、大企業向けの統合基幹業務システムでは、500万円を超えることも珍しくありません。
大規模プロジェクトでは、社内全体を巻き込む形となるため、関与する人数や開発期間が増え、費用が高額になる傾向があります。
複数の部門にまたがるシステム連携や大量のデータ移行が必要な場合は、数千万円規模の予算が必要になることもあります。
パッケージ
標準機能を網羅した既製品であるパッケージシステムの導入は、開発コストと期間を大幅に削減できる選択肢です。
【パッケージ導入の主なメリット】
- 開発期間の短縮: ゼロからの設計・開発が不要で短期間での導入が可能
- 初期コストの抑制: 標準機能が整備されているため開発費用を削減できる
- 安定した稼働: 多くのユーザーで検証済みのため信頼性が高い
- 具体的な完成イメージ: デモやプロトタイプで導入後の運用を事前確認できる
パッケージは既製品をもとに構築するため、スクラッチ開発(ゼロからの開発)と比べて時間とコストを抑えられます。特に「早急にシステムを導入したい」「費用を重視する」企業に適しています。
一方で、いくつかの制約も考慮する必要があります。
【パッケージ導入の注意点】
- カスタマイズの限界: 自由度に制約があり、特殊な業務には対応しにくい
- 業務フローの変更: システムに業務を合わせなければならない場合がある
- カスタマイズコスト: 過度の改修は当初の計画を大幅に狂わせるリスクがある
- 保守の複雑化: トラブル対応はベンダー依存となり自社での対応が難しい
特に重要なのは、パッケージに業務を合わせる必要がある点です。標準的な業務フローであれば問題ありませんが、独自の業務プロセスを重視する企業にはスクラッチ開発の方が適している場合もあります。
システム開発のコスト内訳

システム開発費用は、以下のように様々な要素で構成されています。
- 人件費
- 要件定義費用
- 設計費用
- テスト運用費用
- 導入費用
- サポート費用
システムの規模や要件の複雑さによって各項目の比率は変動しますが、大まかな内訳を把握しておくことで、予算超過のリスクを軽減し、費用対効果の高い開発が可能になります。
また、コスト構造を理解することで、どの部分で効率化を図れるかの判断材料にもなるでしょう。
人件費
システム開発費用の大部分を占めるのが人件費です。全体コストの60%〜80%を占めると言われており、プロジェクトの成否を左右する重要な要素となります。
人件費の計算式は「人月単価×人数×開発期間」です。人月単価とは、エンジニア一人が1ヶ月に作業した場合の費用を意味し、役職やスキルレベルによって異なります。
【役職別の人月単価相場】
- PM(プロジェクトマネージャー): 70万~200万円程度
- SE(システムエンジニア):80万~200万円程度
- PG(プログラマー):40~80万円程度
プロジェクトの規模が大きくなるほど関わる人員も増加するため、人件費も比例して高くなります。特に高スキルの人材が多く必要な複雑なシステムでは、人件費の割合がさらに大きくなる傾向があります。
要件定義費用
要件定義はシステム開発の初期段階で、システムが満たすべき機能や要件を明確にするための重要プロセスです。この工程にかかる費用は、開発全体の5%〜10%程度が目安です。
要件定義では主に以下のような作業が行われます。
- 開発目的の整理と明確化
- システム利用フローの作成と可視化
- 機能要件の特定と優先順位付け
- 非機能要件(性能・セキュリティなど)の特定
要件定義にかかる費用は、主にヒアリングや文書作成にかかる人員と時間によって決まります。複雑なシステムほど要件定義に時間がかかるため、費用も増加します。
設計費用
設計費用はシステムの骨格を決める重要な工程で、開発費全体の10%〜20%程度を占めます。設計は主に基本設計と詳細設計の2段階に分かれます。
設計段階 | 目的 | 決定事項 |
基本設計 | システム全体の構造や概要を決定する | システムの大枠、モジュール構成、データの流れ |
詳細設計 | プログラミングに必要な具体的な設計を行う | プログラムの仕様、処理の流れ、具体的なデータ構造 |
設計費用はシステムの複雑さや規模によって変動しますが、適切な設計は後工程での品質向上や効率的な開発につながるため、重要な投資と言えます。設計段階で不備があると、開発中や運用後の修正コストが大幅に増加する可能性があります。
テスト運用費用
テスト運用費用は、システムの品質を確保するための重要な工程です。適切なテストを実施することで、本番稼働後のトラブルを未然に防ぎます。
【テスト段階の種類】
テスト種類 | 内容 |
単体テスト | 個別機能・モジュールの動作確認 |
結合テスト | 複数機能の連携動作の確認 |
システムテスト | 実運用環境での総合動作確認 |
運用テスト | 要件通りの機能確認(発注者実施) |
テスト工程の質はシステムの品質に直結するため、コスト削減のために簡略化すると将来的に大きなトラブルを招く恐れがあります。特に基幹系システムなど、業務への影響が大きいシステムでは十分なテスト予算を確保すべきです。
また、テスト段階では不具合が見つかるたびに修正と再テストが必要となるため、柔軟な予算設定が重要です。
導入費用
導入費用はシステムが完成した後、実際の業務で活用するために必要な費用です。プロジェクト全体の5〜10%程度を占めます。
【主な導入費用の内訳】
- データ移行費用(既存システムからのデータ移行)
- ハードウェア・インフラ設定費用
- システムの初期設定費用
- マニュアル作成費用
- 利用者トレーニング費用
導入フェーズでは、開発したシステムを実際の業務環境に組み込む作業が発生します。特に既存システムからのデータ移行は予想以上に複雑で、データ形式の変換や整合性の確保など専門的な知識が必要となるため、相応のコストがかかります。
また、利用者がスムーズにシステムを使いこなせるよう、操作マニュアルの作成やトレーニングも重要な要素です。これらが不十分だと、せっかく開発したシステムが十分に活用されない恐れがあります。
サポート費用
サポート費用は、システム稼働後の安定運用を支える継続的な費用です。日常的な保守から障害対応まで含まれます。
【サポート費用の種類と特徴】
- 技術サポート:障害対応、問い合わせ対応
- メンテナンス:定期点検、バージョンアップ
- カスタマイズ:機能改修、追加開発
- バックアップ:データ保護、災害対策
- セキュリティ対応:脆弱性対応、アップデート
サポート費用は年間契約や月額契約で設定されることが多く、一般的に初期開発費の10〜20%程度が相場です。ただし、サポートレベル(対応時間帯、応答時間など)によって費用は変動します。
サポート内容を決める際は、業務への影響度を考慮することが重要です。基幹システムであれば24時間365日の対応が必要かもしれませんが、部門内の補助的なシステムであれば平日日中のみの対応で十分な場合もあります。
システム開発費用を安く抑えるコツ

システム開発は企業の業務効率化やDXを推進する上で欠かせませんが、予算の制約から実現を諦めるケースも少なくありません。
しかし、以下のような適切な方法で、品質を維持しながらも開発費用を抑えることは十分可能です。
- 開発したい機能を具体的に伝える
- 既存のパッケージを利用する
- 段階的に開発する
- コストが安いオフショア開発を利用する
- 補助金を活用する
それぞれ詳しくみていきましょう。
開発したい機能を具体的に伝える
開発費用を抑える最も基本的な方法は、必要な機能を明確に定義することです。これにより理解の齟齬(そご)を防ぎ、効率的なプロジェクト進行が可能になります。
【費用削減のポイント】
- 解決したい課題を具体的な数値で示す
- 必須機能と優先度を明確にする
- 不要な機能も明示する
- 現状の業務フローを整理する
曖昧な要件定義は、開発の途中で仕様変更や追加作業を発生させる原因となります。このような変更は追加費用が発生するだけでなく、開発期間の延長にもつながります。「できれば」「なるべく」といった表現は具体性に欠けるため避け、明確な表現を心がけましょう。
また、具体的な画面イメージを提示することも効果的です。ワイヤーフレームやモックアップを用意できれば、開発会社との認識のズレを最小限に抑えられます。これにより、後から「想定していたものと違う」という事態を防ぎ、手戻りによる追加コストを抑えられます。
既存のパッケージを利用する
ゼロからシステムを構築するよりも、既存のパッケージソフトウェアを活用する方がコスト削減につながります。
【パッケージ導入のメリット】
- 開発期間の短縮(標準機能が既に実装済みのため)
- 初期コストの抑制(開発工数の削減)
- 安定稼働(多くのユーザーで検証済みのため)
- デモで完成形の確認が可能
パッケージソフトウェアには、ログイン認証やユーザー管理、メール送信など、多くのシステムに共通する機能が既に実装されています。これらの機能を一から開発する必要がないため、開発期間と費用を大幅に削減できます。
ただし、パッケージ利用にも注意点があります。独自の業務フローや特殊な機能が必要な場合、カスタマイズの難易度が上がり、結果的にコストが増加する可能性があります。
パッケージに業務を合わせる柔軟性がある場合は良いですが、業務プロセスを変更できない場合は、カスタマイズコストと導入効果のバランスを慎重に検討する必要があるでしょう。
段階的に開発する
すべての機能を一度に開発するのではなく、優先度の高い機能から段階的に開発する方法も効果的なコスト削減策です。
【段階的開発のメリット】
- 初期投資の抑制
- 早期に基本機能を利用できる
- 実際の使用状況を踏まえた最適化が可能
- リスクの分散(失敗時の損失を最小化)
段階的開発では、まず「MVP(Minimum Viable Product:必要最小限の機能を持つ製品)」を開発し、早期に運用を開始します。その後、実際の利用状況や課題を踏まえて、追加機能を順次開発していく手法です。
この方法の最大のメリットは、初期投資を抑えられることに加え、実際のユーザーフィードバックに基づいた開発ができるため、本当に必要な機能のみを効率よく実装できる点です。「こんな機能があれば」と思っていても、実際に使われないケースも少なくありません。
「まずは小さく始めて、成功を確認しながら拡大していく」というアプローチは、特に初めてのシステム導入や実験的な取り組みに効果を発揮します。
コストが安いオフショア開発を利用する
人件費を削減する効果的な方法として、海外の開発リソースを活用するオフショア開発があります。
【国別の平均人月単価(2024年)】
職種 | 2023年平均月単価(万円) | 2024年平均月単価(万円) |
プログラマー | 41.49 | 40.77 |
シニアエンジニア | 55.54 | 51.03 |
ブリッジSE | 78.64 | 63.13 |
PM | 84.98 | 74.59 |
出典:オフショア開発白書p28
オフショア開発では、日本国内の開発と比べて人件費を大幅に削減できます。海外には高いスキルを持った開発者も多く、専門性の高い開発にも対応可能です。
トッパジャパンは、ベトナムの優秀な開発チームと連携し、高品質なオフショア開発サービスを提供しています。日本に開発担当部署を持ち、日本円での決済が可能という安心感が強みです。
品質面では独立した検査チームによる厳格なチェック体制を確立しており、80%を超える高いリピート率を実現。日本語堪能なスタッフが対応し、日本の文化やビジネス慣習への理解も深いため、コミュニケーションの壁を感じさせません。
セキュリティ対策も万全で、安心して開発を任せられる環境が整っています。
補助金を活用する
システム開発費用を実質的に削減する方法として、政府や地方自治体の補助金制度を活用する選択肢もあります。
【主な補助金制度】
これらの補助金は、システム開発を含むIT投資やDX推進を支援するもので、条件に合致すれば費用の1/2~2/3程度が補助される可能性があります。
ただし、各補助金には申請条件や対象範囲、申請期限などが設定されているため、事前に十分な情報収集が必要です。
補助金申請はハードルが高いと感じるかもしれませんが、トッパジャパンでは豊富な知見から、貴社で活用できる補助金のご提案も可能です。
システム開発を外注する際に失敗しないためのポイント

システム開発を外注する際に、注意すべきポイントは以下のとおりです。
- 契約条件を明確化する
- こまめにコミュニケーションをとる
- テストや品質チェックは一緒に実施する
それぞれ詳しくみていきましょう。
契約条件を明確化する
システム開発の外注で最も重要なステップの一つが、契約条件の明確化です。曖昧な契約は後のトラブルの原因となります。
【契約で明確にすべき重要事項】
- 開発範囲と納品物の要件
- 納期とマイルストーン
- 料金体系と支払い条件
- 仕様変更時の対応手順
- 瑕疵担保責任(保証期間)
- サポート・保守の範囲と期間
特に注意すべきは仕様変更への対応です。開発の過程で仕様変更は頻繁に発生するものですが、その都度の対応方法や費用計算の基準を事前に合意しておかないと、想定外のコスト増加や納期遅延の原因になります。
変更管理プロセスを契約に含め、どのような変更が追加費用の対象になるのか、承認フローはどうなるのかを明確にしておきましょう。
また、納品後の保証期間や責任範囲についてもお互いの認識に齟齬がない状態にしておくことが重要です。瑕疵担保期間を設定し、その間に発見された不具合は無償で修正されるという条件が多いですが、具体的な期間や対象となる不具合の定義は契約によって異なります。
こまめにコミュニケーションをとる
システム開発の成否を分けるのは、開発中のコミュニケーションの質です。定期的かつ効果的なコミュニケーションで問題の早期発見と解決が可能になります。
【効果的なコミュニケーションのポイント】
- 定例会議の設定と議事録の共有
- 進捗報告の頻度と形式の統一
- 問題発生時の連絡ルートの確立
- 意思決定フローの明確化
- 情報共有ツールの活用
週次や隔週での定例会議を設定し、その中で進捗確認や課題共有を行うことで、プロジェクトの状況を常に把握できます。また、会議後は必ず議事録を作成し、決定事項や次回までのタスクを文書化しておくことで、認識のズレを防ぐことが可能です。
重要なのは、ただ「報告を受ける」だけでなく、積極的に質問し、理解を深める姿勢です。「順調です」という報告だけでは不十分で、具体的な進捗状況や予想される課題について深掘りする必要があります。また、技術的な内容で理解が難しい場合は、遠慮せずに質問することも大切です。
コミュニケーションツールの選定も重要です。メール、チャットツール、プロジェクト管理ツールなど、目的に応じた適切なツールを使い分けることで、情報共有の効率が高まります。
テストや品質チェックは一緒に実施する
システムの品質を確保するためには、発注者も積極的にテストや品質チェックに関わることが重要です。開発会社任せにせず、実際のユーザー視点で確認しましょう。
【効果的な品質管理の進め方】
- テスト計画・テスト項目の共同作成
- 各フェーズでのレビュー実施
- ユーザー受入テスト(UAT)の徹底
- 発見された問題の管理と追跡
- 品質基準の明確化と共有
特に重要なのは、実際の業務シナリオに基づいたテストです。開発会社は技術的な観点からのテストは行いますが、実際の業務フローに沿った使い勝手の確認は、その業務に精通している発注者が行うべきでしょう。
品質チェックは機能面だけでなく、非機能要件(性能、セキュリティ、操作性など)についても行うことが重要です。特に基幹システムや顧客情報を扱うシステムでは、セキュリティテストや負荷テストなどの専門的なテストも必要になることがあります。
まとめ

システム開発において、費用の相場や内訳を把握しておくことは、計画的な予算確保や無駄のないプロジェクト進行に不可欠です。
具体的なコスト削減策としては、必要な機能の明確化、既存パッケージの活用、段階的な開発、オフショア開発の利用、そして補助金の活用などが挙げられます。
外注時には契約条件の明確化や綿密なコミュニケーション、テストへの積極的な関与が成功のポイントです。