
教育現場のICT化が進む中、「教育アプリ」の導入を検討されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、国内でのアプリ開発は費用が高額になりがちで、予算の壁に直面することも少なくありません。そこで注目されているのが、開発コストを抑えつつ質の高いアプリ開発を目指せる「オフショア開発」です。
本記事では、教育アプリをオフショアで開発するメリット、そして気になる費用相場について解説します。
「教育アプリを導入したいけれど開発費用を抑えたい」「オフショア開発に興味はあるが、具体的な進め方や注意点が分からない」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
オフショア開発とは
オフショア開発とは、システム開発やアプリ開発・ウェブサイト制作、さらにはそれらの運用・保守といった業務を、日本国外の企業や海外に設立した自社の拠点(現地法人)に委託する開発スタイルのことです。
英語の「offshore(オフショア)」が「海外の」といった意味を持つことからも分かる通り、国境を越えて開発作業をアウトソーシングする方法を指します。
IT人材の確保が難しい日本にとって、海外で優れた開発チームを見つけられる点は大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、近年は海外の人件費も上がってきているため、単純なコスト削減だけでなく、高度なITスキルや専門知識を持つ人材の活用を目的にオフショア開発が選ばれるケースも増えています。
教育アプリをオフショア開発で進めるメリット

多機能化が進み、開発の規模が大きくなりがちな教育アプリですが、オフショアで開発することで以下のようなメリットが期待できます。
①開発コストを抑えられる
- 海外エンジニアの人件費は国内より低いことが多い
- 同じ予算でもより多くの機能開発や品質向上が目指せる
②開発スピードを上げられる
- 短期間での完成が求められる教育アプリ開発に対応しやすい
- 技術力の高い海外の人材をプロジェクトに集められる
- AIやVRといった新しい技術に強い人材も海外には豊富
- 必要に応じて開発メンバーを増やしやすく開発を加速できる
オフショア開発をうまく活用すれば、コスト面の課題を解決しつつ、質の高いアプリをより早く市場に出せるチャンスが広がります。
オフショア開発する場合の費用相場
日本国内ではITエンジニアの人件費が高騰傾向にありますが、海外に開発を委託することで、開発費用を削減できる可能性があります。
例えば、ベトナムでは人月単価の相場は約39万円~70万円程度と、国内に比べて低いです。ベトナムには優秀で若いIT人材が豊富におり、政府もIT分野の人材育成を積極的に後押ししているという強みがあります。
一方、日本国内でITエンジニアを確保しようとすると、人月単価は一般的に80万円~120万円程度が目安とされています。
職種 | 国内開発(人月単価目安) | オフショア開発(ベトナム・人月単価目安) |
プログラマー | 約60万円~ | 約39万円~ |
シニアエンジニア | 約80万円~ | 約48万円~ |
プロジェクトマネージャー | 約120万円~ | 約70万円~ |
このように、オフショア開発、特にベトナムのような国では、国内の半分程度のコストで同等のスキルを持つ人材を確保できるケースも少なくありません。
出典:オフショア開発白書(2024年版)|2.オフショア開発先の人月単価(職種別)
失敗しないためのオフショア開発会社の選び方

オフショア開発は、教育アプリ開発においてコストを抑えつつスピーディーに進められる選択肢の一つです。しかし、海外の企業と連携するには言語や文化の違いなど、特有の難しさも伴います。
だからこそ、信頼できる開発パートナーを慎重に選ぶことが大切です。
この章では、教育アプリのオフショア開発で後悔しないために、開発会社を選ぶ際に必ずチェックしておきたい4つのポイントを解説していきます。
教育アプリの開発実績を確認する
オフショア開発会社を選ぶうえでまず確認したいのが、教育アプリに関する過去の開発実績です。開発しようとしているアプリと似たようなジャンルや技術を用いた経験があるかどうかをチェックしましょう。
教育アプリは、対象とするユーザーの年齢層や学習目的によって、求められる機能やデザイン、操作性が異なります。そのため、プロジェクトに近い実績を持つ開発会社であれば、教育現場のニーズや特性を深く理解している可能性が高く、より質の高い提案やスムーズな開発が期待できるでしょう。
コミュニケーションの体制を確認する
言葉や文化、そして物理的な距離といった障壁があるオフショア開発において、スムーズなコミュニケーション体制が整っているかも大切なポイントです。意思疎通の齟齬は、後々の大きな手戻りや納期の遅れに直結してしまう可能性があります。
確認すべきポイント
- 日本語が堪能なプロジェクトマネージャー(PM)やブリッジSEの在籍
- 日本側と現地チーム間で仕様や要望を正確に伝達できるか
- 進捗共有の頻度や手段(メール、チャット、定例会議など)
開発チーム内に、日本語の細やかなニュアンスまで理解し、的確にやり取りができる担当者がいるかどうかを確認しましょう。
また、定期的な進捗報告の方法や、会議の議事録作成といった記録をしっかり残す文化があるかどうかも、後々の「言った言わない」のトラブルを避けるためには重要です。
セキュリティ対策・品質保証を確認する
教育アプリでは、生徒の学習履歴や成績、場合によっては個人情報といった機密性の高いデータを取り扱うことも少なくありません。そのため、開発を委託する会社のセキュリティ対策が万全であるか、そして開発されるアプリの品質をしっかりと担保する体制が整っているかも、重要なチェックポイントです。
情報漏洩は、学校や企業の信頼を著しく損なう重大な問題です。
また、バグが多い、動作が不安定といった低品質なアプリは、すぐに利用者離れを引き起こしてしまいます。国際的なセキュリティ認証を取得しているか、品質管理に関する明確な基準や手順が定められ、それがきちんと運用されているかなどを具体的に確認しましょう。
コストと納期のバランスを確認する
オフショア開発の魅力の一つはコスト削減効果ですが、安さだけを追求してしまうと、期待した品質が担保されなかったり、納期が大幅に遅れたりといった問題が生じる可能性があります。
提示された開発コストが妥当か、そして約束された納期が現実的か、そのバランスを慎重に見極めることが大切です。
見積もり金額があまりにも低い場合は、技術力や投入されるリソースが不足している可能性も考えられるため、その理由をしっかりと確認しましょう。
アプリの開発におすすめのオフショア開発会社3選
この章では、アプリ開発でおすすめのオフショア開発会社を3社厳選してご紹介します。
- トッパジャパン株式会社
- 株式会社カオピーズ
- VNEXT JAPAN株式会社
各会社の特徴や強みをみていきましょう。
トッパジャパン株式会社

出典:トッパジャパン株式会社
トッパジャパンは、学校・教育機関向けのICT導入支援に強みを持つ企業です。
導入コンサルティングから運用保守・ヘルプデスクまで、教育ICTの活用をきめ細かく支援し、教員のITリテラシー向上など教育現場の課題解決に取り組みます。
お客様に寄り添い、技術者が顔を合わせて信頼を積み重ねる姿勢も特徴です。
また、ベトナム拠点を活用したオフショア開発により、安価な人件費と標準化された開発プロセスで高品質な開発を実現し、品質とコストの両立を図っています。
株式会社カオピーズ

出典:株式会社カオピーズ
カオピーズは、技術力と品質管理に定評があり、130社以上との取引で500件以上の開発実績を持つオフショア開発企業です。学習塾の申込・決済アプリやタブレット学習支援システムなど、教育分野のアプリ開発も豊富です。
特徴は、国際規格ISO9001/27001に基づく徹底した品質・セキュリティ管理体制。AWSパートナーやISTQBプラチナムパートナーにも認定された高い技術力を背景に、ブリッジSEが円滑なコミュニケーションを実現します。
VNEXT JAPAN株式会社

VNEXT JAPANは、iPhone・Androidアプリの企画・デザインから開発、運用までワンストップで提供するオフショア開発会社です。業務アプリや学習アプリなど幅広い分野で豊富な実績を持ち、UI/UXの最適化提案でユーザー評価の高いアプリ開発を実現します。
アーキテクチャ設計から行えるインフラ構築力も強みで、AWS資格を持つエンジニアが最新技術を反映した提案を行います。また、リリース後のOSアップデート対応や運用支援など、充実したアフターサポート体制も特徴です。
まとめ
オフショア開発は教育アプリ開発において、「開発コストの抑制」と「開発スピードの向上」がメリットとして期待でき、ベトナムなどの国では国内の半分程度のコストで開発できる場合もあります。
「教育アプリの開発実績」「コミュニケーション体制」「信頼できるセキュリティ対策と品質保証」「コストと納期のバランス」の4つのポイントを確認し、自社に最適な開発会社を見極めることが重要です。
この記事を参考に、まずはオフショア開発の可能性を検討し、信頼できるパートナーを探してみましょう。